スポンサーリンク

複数の拠点間を低コストで繋ぐことは出来ないかという案件があり、VPNで接続することとなった。この機会にVPNについて簡単にまとめてみたので、メリットとデメリットを理解したうえで導入の参考にしていただければと思う。

VPNとは

まずはVPNについてご存知ない方のために、VPNの概要を解説。VPNとはVirtual Private Networkの略で、よく仮想専用線と訳される。まず専用線とは、本支店などの拠点間を繋ぐための専用のネットワーク回線のことと言うのは想像しやすいと思う。仮想の専用線とは、汎用線であるインターネット回線を、専用線のように使うことであるが、この説明だけだといまいち想像し辛いと思う。
もう少し具体的に言うと、インターネット上の通信は、基本的に暗号化されておらず、第三者による盗み見や攻撃などが行いやすい環境となっている。最近は盗み見などによる情報漏洩を防ぐためにSSL通信などで暗号化されることも少しずつ増えてはきている。そのインターネット回線を使い、拠点間の通信は全て強固に暗号化することにより、第三者が読み取ることの出来ない状態を作ることで、専用線を使っているのと変わらない状況を作り出すのが仮想専用線ということなのだ。

その他のおすすめ製品はこちら

VPNのメリット

安全な通信ができる

先ほどの説明でも述べたように、通信内容を盗み見などから守るため強固に暗号化されている。またセキュアなアクセス経路を確保するトンネリング機能などが搭載されているので、安全な通信環境でデータ通信をおこなうことが出来る。企業活動で利用する環境は、セキュアであればあるほど安心して利用できる。

自由度の高い接続でスムーズなデータ通信

専用線の場合は、敷設している間のみの接続となる。本社とA支店・本社とB支店・本社とC支店という3本の専用線を敷設している場合、支店間の接続はされておらず、支店間でのデータ通信は本店を介して可能となる。
VPNを利用することにより、複数の支店同士であってもスムーズにセキュアなデータ通信を行うことが低コストで可能となる。

通信コストの削減

本社・A支店・B支店・C支店の4つの拠点を専用線でスムーズに通信する場合、6本の専用線が必要となる。専用線は汎用線と比べ非常に高額となる。高額な分、通信速度など汎用線と比べるとメリットはあるが。
これをVPNで構築すると、各拠点でインターネット回線とVPNに対応したルータを用意するだけで良い。VPN対応のルータも安価な製品が多いので初期費用を抑えることもできる。

VPNのデメリット

導入コストが高額になることも

VPNをを利用するためには、各拠点にVPNに対応したルータが必要となる。VPNに対応したルータは、他の機能を備えているものも多く、多機能なものほど高額になる傾向がある。利用しない機能を備えたものを導入するのは、無駄なコストとなる。どのような機能が必要なのかを明確にしておく必要がある。

通信速度の低下の恐れ

インターネット回線は、他の利用者が多い時間帯などに通信速度が低下ことが多々ある。また、ルータもCPUを使っているのだが、利用するルータの機能が増えればCPUの処理は分散され通信に影響する場合ががある。夏場など気温が高いと、ルータが熱を持ちCPU処理速度が落ちて通信に影響することもあるので、ルータの設置場所にも気を付けなければならない。

情報漏洩もありえる

暗号化通信など、様々なセキュリティ機能を搭載しているVPNだが、インターネット環境を利用すれば情報漏洩のリスクはある。絶対に情報漏洩がないとは言えない。機器の設定が適切でなかったり、メモしていた暗号化キーを盗み見されたりと、人為的ミスによって情報漏洩することもある。安全が100%確保されたものではないことを理解しておく必要がある。

スポンサーリンク